Jul 15, 2016

工数管理のソフトは人件費の把握に役立ちます

従来、主にシステム開発や製造現場で活用されてきた工数という概念は、1人の労働者が1日従事する作業を1人日、1カ月従事する作業を1人月と見なし、労働者がある課題を達成するためにどの程度の時間を要したかという作業時間を計る指標となってきました。そして昨今では、この工数という概念を労働者の生産性を高め、仕事の効率化を図るための指標として活用する工数管理という管理手法が幅広い分野で用いられるようになりました。

工数管理が幅広い分野に普及するようになった背景として、多くの企業でより細かい利益管理が求められるようになっていることが挙げられます。現在では多くの企業が企業全体だけではなく、企業内で並行して行われている個々のプロジェクトごとの利益管理を求められるようになっているのです。そして個々のプロジェクトごとの利益を把握するためにはそれぞれの収支を把握する必要があります。中でも比較的把握し難い人件費を個々のプロジェクトごとに把握する上で有効な手法であることから、工数管理が広く普及しているのです。

また、工数管理には個々のプロジェクトごとの支出の把握以外にもメリットがあります。その1つが企業内の1人ずつの社員の工数が可視化できることによって、自らの生産性に対する社員の意識の向上と、生産性を高めるための社員の努力を促すことができる点です。また、企業経営においても、収益性の向上やPDCAサイクルの実施、他の企業の管理部門とのデータ交換やデータ連携といった情報共有による経営効率の向上などを図ることができる点にメリットが生じるのです。

このような工数管理を行っていく上で有効な手段となるのが管理ツールとなるソフトウェアの活用です。というのも、工数データを有効に活用するためには企業内全体のデータを集約した上で、さまざまな切り口で分析して有効な知見を抽出することが大切であり、こうした知見を効率的に抽出する上で、専用のソフトウェアの活用が大きな効果を発揮するからです。そしてこうした専用のソフトウェアを選定する際には、目的を果たすためにどのような機能が必要かを整理した上で、価格やサービス形態も見比べた上で総合的に判断することが大切です。